2章:俺が知ってるダンジョンじゃない

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目を開けるとそこにはさっきまでとは違う景色があった。一言で言ってしまえば『和室』だ。 六畳間に腰ぐらいまでしかない和箪笥、その上におばあちゃんの家でしか見たことがない黒電話。 目を右にやるとそこには、それほど大きくない円形のちゃぶ台、その奥に台に載ったブラウン管テレビ。 もう、ザ・和室としか言いようがない程に和室だ。足元を見ればご丁寧に靴を脱がされている。 その場に胡坐をかいて少し考える。内容は勿論の事、今俺が置かれている状況についてだ。 ダンジョンマスターになりたいか?と言うメールになりたいと返信したら、またメールが送られてきた。 そのメールを開くと下の方に魔法陣?が描かれていて、それが光ったと思ったらここにいた。 この流れから行くと、俺は今ダンジョンマスターになれたと言う事なのだろうか。 だめだ。冷静を装ってみても全く理解が追いつかない。もっと情報を集めない事には到底落ち着けそうにない。 立ち上がり和箪笥の隣にある引き戸に手をかける。鍵の様なものは見当たらないから簡単に開くと思っていた。 だが、いくら力を入れて引いてもびくともしない。ガラス戸だからと割ろうとして見ても手を痛めるだけに終わった。
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