2章:俺が知ってるダンジョンじゃない

4/19
前へ
/135ページ
次へ
吸い込まれるような色に何時間でも眺めていたい気になるが、一先ずちゃぶ台の上に置く。 倒すように置いたクリスタルが独りでに動き垂直に立った。その様子が言いようもないくらい面白かった。 指で横からクリスタルを叩くと、倒れずちゃぶ台の上を滑った。それだけでこのクリスタルい不思議パワーが宿っている事が分かる。 もう一度突こうとする指を左手で必死に抑える。いつまでも遊んでいる訳にはいかんだろう、おれ。 震える手を理性で抑え、タブレットを見る。タブレットは俺がいつも使っているスマホを大きくしたような見た目だ。 そうだ、俺のスマホは。良かった、ちゃんとポケットに入っていた。よくよく考えればカバンがなくなっているがそんなのはどうだっていい。 スマホの無事を確認したところで、本格的にタブレットを操作をしてきましょうか。 まずは電源を入れる。あまり待つことなくついた。ロック画面はスライドするだけのもので、ロックする気があるのか問いただしたい。 問いただす相手がいないので、大人しくスライドしてロックを解除する。 開けた先はいたって普通の画面だ。デスクトップと言うべき場所の画像はどこかの風景で穏やかな気持ちになる。
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

314人が本棚に入れています
本棚に追加