それは緩やかに蝕む不治の病のように

3/6
前へ
/7ページ
次へ
◆ 広くて施設も整っている近所の公園では、今日も老若男女問わず、沢山の人達が思い思いの時間を過ごしている。 僕はまず、ハッピーをいつものドッグランに連れて行った。 ここならハッピーも思う存分遊べるし、常駐するロボットが全て面倒を見てくれるから、僕としても安心して預けられる。 他の犬と楽しそうにじゃれるハッピーの姿を見届けた後、僕はお気に入りのベンチへ向かった。 大型の3Dスクリーンが近くにあって、いつでもいろんなコンテンツが楽しめる。 今日は、バーチャルシンガーが新曲を披露しているようだ。 膨大なデータから人間の好みや流行を分析し生み出された楽曲と、圧倒的な歌唱再現力はいつも僕らの想像を超えていて、新鮮な驚きと感動を与えてくれる。 早速この曲が欲しくなった僕は、体に埋め込んである超小型PCから、それに付属する僕専属AIにダウンロードの手続きを頼んだ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加