それは緩やかに蝕む不治の病のように

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それにしても、本当に天気が良くて気持ちがいい。 昔の人はたとえこんないい日でも働かなきゃいけなかったんだから、今の時代に生まれてつくづく良かったよ。 【働かざるもの食うべからず】なんて、もはやおとぎ話みたいなものだ。 発達した人工知能やロボットたちが全ての『労働』を担ってくれるようになったおかげで人間は働く必要なくなり、こうして誰もが人生を謳歌する事ができる世界になった。 かつてSF映画に描かれていたような『反乱』は、やっぱりただの想像の産物で、『彼ら』はむしろ、快適で便利なよりよい人間社会の為、今日も勤勉に働き続けているのだ。 やがて、僕が僕の時間を存分に満喫した頃、遊び疲れて眠ってしまったらしいハッピーをドッグランのスタッフロボが連れてきてくれた。 すぐ起こすのも可哀想だし、隣にそっと寝かせたまま、僕も少しの間まどろむ。 そんな夢うつつの状態の僕の前に、『彼女』はいつの間にか立っていた。
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