第1章

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「ただいま。」  ケイスが家に帰ってくると、息子がかわいらしい笑顔で「おかえいー」と出迎えてくれた。 「これ、パパからのプレゼント。ママに渡してくれるかい?」  息子を抱え上げ、小さな包みを渡す。 「いいよ!」  そう言って笑う息子に、彼はありがとうとキスをした。本心からキスをした。 「あれ!パパ海のにおいがする!」 「え?そうかい?おかしいな、今日は海には行っていないよ。」  自分に似た息子の髪をなでながら、ケイスは小さな嘘をついた。 Fin.
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