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「……たち……」
友奈が言った意味を、理解できなかった。
紛れもなく、俺たちは生殖権を認められた人種だ。なのに、なぜ……
悪寒が背筋を舐めるようにして走る。
凛太の運命を、友奈の運命を嘲笑うかのように。
「私ね、お腹に赤ちゃんがいるの」
「ッ!?」
視線も合わさず、友奈はお腹をさすった。そこに感じるわずかな生命の胎動を欲しがるように。
心当たりは……あった。
この時代、未成年の妊娠には重い罰則がある。
それには、生殖権剥奪という罰金なんかよりも重いものが。
お互いの合意のもとの性行為における妊娠の場合、両者の責任能力の欠如ということとみなし、産まれた赤子は引き取られる。
中絶することも可能だが、未成年の妊娠は生殖権を剥奪されてしまうため、最後の子供となる。例え会えなくとも産みたいと思う女性は多いと聞いた。
すべての合点が……いった。
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