第1

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優しい両親に別れを告げ駅に向かった。 数年前自分には兄がいた。自分は兄をとても信頼していた。 しかし ある日兄は珍しく両親と喧嘩していた。その時自分はまだ幼くて、うとくて何がなんだかわからなかった。 次の日朝、両親が泣いていた 兄が泣かせたんだなと思った自分は兄の部屋に向かった。兄の部屋は必要なもの以外存在していない。空っぽのようだった。 「兄さん、お父さんとお母さんが泣いてるよ...。仲直りしようよ...ね?」 「何を知って郁(イク)はそう言ってんの?仲直り?冗談じゃない。無理だ」 「っっん、お父さんお母さん泣かないで欲しい。兄さんと仲直りしたいって絶対思ってるよ...素直になろ?ね!」 「素直?ふざけんじゃねーぞ!!なんにも知らないガキがいきがってんじゃねーよ!!」ガッ 兄は怒りの勢いに任せて俺を殴った。顔、腕、足、胴体。いたるところを何回も殴った。 殴られすぎて感覚もなくなってきた。ひたすら俺は涙を流した。だけど1回も反抗や抵抗はしなかった。
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