第1章

6/8
前へ
/8ページ
次へ
「ちゃんと感謝してますよ。ぼくがいちいち言わなくても家内はわかっているはずです」  オレは言った。同時にだんだんイライラしてきた。 「私もきみと同じく、そう思っていた。でも妻には全然伝わっていなかった」  課長は急に遠い目をした。 「感謝の気持ちは言葉にしないと伝わらない。それがわかった時には手遅れだったのさ」  課長は目線を再びオレのほうに戻した。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加