自惚れからの後悔

19/22
前へ
/101ページ
次へ
――どうして、こうなってしまったのだろう。 空は恋愛事に疎く、興味がなければ関心もなかった。あったのはせいぜいバスケの事位だろうか。 当然那月も、自分の事は幼なじみとしか見られていない事はわかっていた。 だけど、いつしか自分と同じ感情を空が抱き、想いが通じる筈だ。 空に一番近いのは自分。 だから空にも自分しかいないと。 そう信じて疑っていなかった。 ――何故私はそんな根拠も無いことを信じ込んでいたのだろう。 那月は自身の浅はかさを呪いたくなった。 その結果がこれだ。 自分が紹介した女の子に恋をされる。 今までだって、自分の友達を空に紹介していた。空と一緒に遊んでいた。 何が違ったのだろう。 那月は今にも泣きだしそうになるのを必死に抑え、考えていた。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加