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――どうして、こうなってしまったのだろう。
空は恋愛事に疎く、興味がなければ関心もなかった。あったのはせいぜいバスケの事位だろうか。
当然那月も、自分の事は幼なじみとしか見られていない事はわかっていた。
だけど、いつしか自分と同じ感情を空が抱き、想いが通じる筈だ。
空に一番近いのは自分。
だから空にも自分しかいないと。
そう信じて疑っていなかった。
――何故私はそんな根拠も無いことを信じ込んでいたのだろう。
那月は自身の浅はかさを呪いたくなった。
その結果がこれだ。
自分が紹介した女の子に恋をされる。
今までだって、自分の友達を空に紹介していた。空と一緒に遊んでいた。
何が違ったのだろう。
那月は今にも泣きだしそうになるのを必死に抑え、考えていた。
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