自惚れからの後悔

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桜舞う季節。 那月(なつき)と空(そら)は隣町にある公立の翔陽(しょうよう)高校に入学し、今日はその入学式だ。 「いよいよオレも翔陽生か。待ってろー!バスケ部のエースに俺はなる!!」 この翔陽高校は男子バスケットボールの強豪校として名を馳せており、小学生の頃からバスケをしていた空は、ここに入学してバスケ部の選手として活躍するといき込んでおり、嬉しくて仕方ない様子で校門の前で叫んでいた。 「こら、空。子供じゃないんだから、あんまりはしゃがないの」 それを空の母親、有美(うみ)が恥ずかしそうに周りをキョロキョロしながらたしなめている。 「しょうがないですよ。有美さん。だって空ですもん」 その様子を見た那月は、首を横に振りながら有美の肩を軽く叩いた。 「なっちゃん……ホントうちのバカをよろしくね。なっちゃんが同じ高校で本当に頼もしいわ」 そして、二人は示し合わせたように空を見ると相変わらず興奮気味に騒いでいるのを見てまた、二人は目を合わせた。その仕草に 「なっちゃんの方がよっぽど自分と波長があって娘たいだわ」 有美はそう笑いかけると、那月も笑顔で答える。 「私はもう有美さんの娘みたいなものだと勝手に思ってますから」 「それもそうね」 また、有美は先程より嬉しそうに笑みを浮かべていた。 ――有美さんの娘……か。 那月は心の中でそう呟くと、昔の記憶がじわりと浮かぶ――……
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