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◇◆
『私、中学の時に人の彼氏とったって言われて一人になってしまい、この学校に来たんです』
華乃と二人で、トイレに行った時、那月はどんな感じ?と気遣い声をかけ、答えられたその寂しそうな声を思い出した。
『だけど、すごく今楽しい。なっちゃんと友達になれて良かったです』
そして、すぐそれをかき消すような楽しそうな声と笑顔な華乃も浮かんできた。
今は、ただ。
そう言ったあの笑顔を自分の醜さのせいで消したくはないと。
それはギリギリの理性だった――……
「大地、本当にかっこいいだろ!惚れるだろ!……まてよ。那月が大地に惚れて四人でダブルデートとか楽しそうだよな!」
空は那月が今何を思っている事など露知らず、脳内ではすっかり自分と華乃。那月と大地のカップルが出来ているようで無邪気に笑っていた。
追い打ちをかけるようにしか思えない事を平気で那月に言ってのける。
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