交わらぬ恋心

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「そのせいで、母さんが那月にって食べさせようと思ってたもの持たされたんだからな!食べ物っぽいし後で昼休みでも取りに来いよ!じゃぁオレ行くから」 空は言いたいことだけ言うと自分の教室に向かう。 空にとっては一緒に行くのも、那月にと言われ有美に何かを持たされる事も、中学から何一つ変わっていない日常。 ただ、環境や、人は変わる。 当然同じ中学の人間以外、那月と空の関係を知らない。 空がそんな大声を出し責め立てる姿に周りは『え?どういう関係?』と思わずにはいられず 二人は恋人同士なのでは?等と思う人も居ただろう。 しかし、空はそういう風に思われる事など全く考えてないし、気が付きもしない。 一方の那月はそんな周りの反応を肌で感じとるが、自分と空が噂されていることに悪い気はしていなかった。 噂になればなるほど。 空は自分のだとアピールできる気がしていたからだ。
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