交わらぬ恋心

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「もうほら、馬鹿なこと言ってないで食べよ」 那月は一度パンっと手を叩きながらそう言い、地べたに座ろうとしたが、「あ。待って」と大地がそれを静止する。 「制服汚れちゃうし、冷たいかも知れないから気休めにしかならないけどこれに座ってよ」 そう言い出して胸ポケットから取り出したのはハンカチ。しかも何故か二枚ある。それを那月と華乃に一枚ずつ手渡そうとした。 「え?!ハンカチ……汚れてしまいます」 華乃は申し訳なさそうに受け取りを拒否しようとしたが、笑顔で大地は言った。 「汚れてもいい為にあるんだもん。女の子を地べたには座らせなれないよー。それに……」 言いながらゴソゴソと今度は右のズボンのポケットからまた一枚ハンカチを取り出した。 「まだ、もう一枚あるから気にしないで」 「一体何枚ハンカチ持ってるわけ?」 まさかの展開に、すかさず那月が驚き声を上げた。
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