六車の末裔

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 有馬は唇を噛んだ。さすがは敏腕刑事と言われただけある。 「ビブリオはこれだから困るんだよ」 「私は菌ではありませんよ。ちなみにボツリヌス菌の方が強いですが、何か?」  おぎやはぎか?こいつ、古畑じゃないな?まさか、特殊メイクとかしてるのか? 「うるせーよ!このハゲに毒キノコ食わすぞ?」 「ハハァ、お好きにどうぞ。もう、僕の部下じゃないし?死んでくれた方がせいせいする」  冷たい奴だ。相澤の野郎、無茶な命令しやがって。有馬はデルタって派遣会社で働いている。  百鬼町にあるダンボール工場だ。河上っていうナヨナヨした奴で、動きがトロトロしてたから肩パンしてやった。最近は躾のなってない奴が多すぎる。  殴った夜に飲んだウォッカは旨かったな。そろそろ寝ようとしていると、チャイムが鳴った。  デメキンに似た目玉の大きな男が、カメラつきインターホンに映っている。『警察です。あなた、人を殴りましたよね?出てきてください!』  ベランダから飛び降りようとしたが、後の祭りだった。ダチョウ倶楽部の上島みたいな刑事が腕組みをして、睨み上げていた。 「逃げられると思ってんのか!?」  デブは槍釜ってスケベそうな名前だ。槍釜の運転するパトカーで、古畑さん!半沢さん!黒ままはまま浜浜浜は。  バグりましたね?ドッカーンッ!
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