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古畑VS今泉
ボールペン会社での殺人事件を今泉から聞いて、古畑はクスクス笑った。
「実に面白い事件です。古畑任三郎でした」
「人が死んでるんですよ?」
「僕は部外者だからさ、関係なくね?」
「まさか、あんた?」
観覧車を爆破しようとした事件があった、あのときの犯人の声にどことなく似ている。
夕凪市は黄昏色に染まっている。
「今日は統一地方選挙だね?今泉さん」
「自棄に丁寧ですね?」
今泉は古畑の髪を引っ張った。
「いてぇな!ちょっと待てよ!」
「いつも人のデコ叩きやがって!」
前自民党の県議と前夕凪市の助役の一騎討ちだ。
「何事もなければいいんだけどね?」
古畑はダンベルで筋トレしている。パンッ!
「銃声!?」
今泉がホルスターからコルトガバメントを抜いた。駅の周囲を鳩がざわめいている。
「クラッカーか何かでしょう?お腹空きましたね?」
「人が撃たれたかも…」
「ギャラ出るわけじゃねぇし?どうでも、よくね?」
特殊拳銃だ。体内で銃弾が踊るような機能になっている。まず、助からない。
「それより、冷たい麺でも食べたいなぁ。今泉君、いい店知ってる?」
「麗麺なんかどうです?」
「どこにあるのそれ?」
「駅の裏通り、2階建て」
「綺麗な姉ちゃんいるのかな?」
「いるいる、行きまひょ。おりもは~ん、アハッ」
麗麺の地下室はワープゾーンになっていた。偽古畑こと林は館山城下にワープした。
館山城は機銃掃射や、パトリオットミサイルが置かれ城塞化していた。
館山城天守閣で、林は多良と向かい合っていた。
金ヶ崎県議の訃報を聞いて多良はほくそえんだ。
「甘い汁ばっかりチュウチュウ吸ってるからです」
「杉谷の腕はすごいな」林が言った。
杉谷は殺し屋だ。甲賀忍者の血を引いている。
「いや、林先生の技術力のおかげです」
「有馬の馬鹿がしくじらなけりゃ、もっとスムーズに行ったんだけどな…」
有馬は古畑から警察の情報を聞き出す役目だったが、始末されてしまった。
「あのじいさん、意外と冷酷だよな?」
「これで里見先生の当選は確実です。金ヶ崎か、嫌な名前ですね?」
「さてと、次は誰を殺そうか?多良ちゃん」
偽古畑任三朗でした。CHARAーらーらー!
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