第1章 海の見える家

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絵ハガキのようなその光景を思い出すたびに不思議な気になる。あんなに楽しそうにしている母は見たことがなかったし、母の傍らには知らないおじさんがいた。母はおじさんを見て、そしておじさんは母を見て…。夢のようなのだが、あの時の空気の匂いも覚えている。いったいあれはどこで、そしてあのおじさんは誰だったのだろうか。一番確かなのは当の母に聞いてみることなのだが、なんとなく聞いてはいけないことのような気がして、いまだに聞けないでいる。
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