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日本での高校時代の友人だった彩乃。
今はジャズバーのプロデュースもしていて、音楽家としての才能を発揮している。
髪を短く切って、ショートもよく似合う彩乃は、ブルーのミニのワンピースを着て、ジミーの隣に座った。
「あたしも行くつもりだけど」
「は?無理よ!」
「アンジェも行くって言ってたよ!」
ジミーはニコニコしながら、食後にコーヒーを飲んでそう言うと、さすがにあたしは頭を抱えた。でも、ふと思い立って顔を上げると、
「そっか。いっその事、観光にしちゃえば、カモフラージュになるのかな?」
と言って考え込むと、ジミーと彩乃は顔を見合わせて、ニコッと笑った。
「危険なのは変わらない。ガードつけてもらうし、別行動…になるかも。…ちょっと、考えておく。…ありがとう」
あたしは、素直に、嬉しかった。
あたしはここにきて、友達が増えた。
不思議。
友達のことが大切だと思った。守りたいって。だけど、あたしを守るために一緒に行く、なんて言ってもらえると思わなかったよ。
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