第8章 モンセラーテで抱きしめて

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「とりあえず、お前、手術してまだたったの1週間だ。無理して動くな。大体、1週間でなんでそんなに元気になるんだ?回復早すぎだろ」 「うん。若いから!で、ジミーたち、先に帰らせたいんだけど?」 「そうだなぁ。いつまでもここに置いとくわけには…」 「あのね!このままだと、嫌な予感するの」 「え?」 匠はギクッとしてあたしを見つめると、あたしは苦笑いした。 「ま、…まさか…」 匠がそう言うと、あたしは匠を見た。 「アンジェも、来ちゃうかも…」 「お前なぁ…」 匠はまた呆れ顔でため息をつくと、それでもきつく抱きしめてくれて、 「匠…?」 と匠の名前を呼んでみると、匠は小さな声で返事をしてくれた。声の振動が抱きしめられた胸から感じ取ることができて、安心する。 「敵は、きっと、他にもいるんだよね。ルシアは反政府軍でしょ?匠の暗殺計画はどこで発せられたの?」
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