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あたしが言うと、匠はあたしの顔を覗き込んでニヤリと笑うと、
「考えるようになったなぁ、瑠生。押し倒したくなったぞ」
と言うと、あたしはムッとして匠を睨みつけた。
「バカにしてる!?」
「いやいや、マジで。すごいすごい」
「たく…」
「おそらく近くにスパイがいる。俺を殺そうとしている誰かが…」
匠がはっきりと言うと、あたしは思わず息を飲んだ。
「もう、匠が生きてるってことはバレてるってこと?」
「…その可能性がある。敵の動きを探ってるんだが、まだ動き出さない。そこが、不気味なんだ。カイがいるあの部隊はオルドゥ派で、オルドゥ様、あとはアリスの父親のウィンストン様も同じ政府軍にいるんだ。前にカイが雇われていた国家のテロリスト軍団に、ルシアも所属していた。そして、そこに俺を狙った奴らが紛れ込んでいる。ということは、俺が生きてるってことを、知ってるんだと思う」
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