129人が本棚に入れています
本棚に追加
*
「で、こういうロープで手首とか縛られても…」
匠が説明しているそばで、あたしはきつく縛られた手首のロープをスルスルと外してみせると、カイと彩乃は驚いてあたしを見つめた。
「すごい!なんでそんなに簡単に外せるの??知らなかった…あ、でも、そういえば、高校の部活、マジック部だったよね。マイナーな部活やってるなーって思ってたけど、それが役に立ってるのね」
彩乃が興奮してそう言うと、あたしは大きく頷いた。
「たまたま縄抜けの練習してるのを見て、それだけは覚えたくて入ったんだ」
「今更だけど、納得したわ」
「知らない方がよかったよ。少しは大人しく待っててくれるだろうし」
匠がまだムッとした口調で言うと、あたしはプイッと知らんぷりした。
最初のコメントを投稿しよう!