第9章 3人の瑠生と2人の匠

8/26
前へ
/282ページ
次へ
「運がよかっただけなのね…。瑠生。命を大事にしなさい」 さすがに、彩乃は最後に呆れたように言うと、あたしはパッと彩乃をみて、 「みんなして、なんなのよっ!!結束バンドとか、反則なのよ!」 とムカつきながら言うと、そこにレイチェルがドアをノックしてやってくると、あたしたちは同時にレイチェルを見た。レイチェルは青ざめた表情で、 「系斗からの通信が、途切れたの」 と言うと、あたしと匠は顔を見合わせた。匠とカイはレイチェルに歩み寄り、 「どういうことだ?」 と匠が言うと、 「系斗が、自分にGPSをつけておくから、頻繁にチェックしろって言ってて。さっきまでは普通に作動してたの。空港から出て、こっちに向かってた。でも系斗のGPSが消えたのよ…。系斗の連絡先は私は知らないけど、瑠生たちなら…」 とレイチェルが泣きそうになって言うと、あたしは匠を見て、 「匠。助けに行ってよ!」 と身を乗り出して言うと、匠とカイは顔を見合わせて、カイが先に携帯を取り出して系斗にコールした。
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

129人が本棚に入れています
本棚に追加