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「電話、コールも鳴らないぞ」
カイが携帯を片手に言うと、
「少し様子を見よう。瑠生と彩乃はここから出るな。レイチェルも一緒にいてくれ」
と言って2人が部屋から出て行くと、レイチェルはあたしに駆け寄ってきて、
「瑠生…!大丈夫??」
と心配そうに言うと、あたしは唇を噛み締めてレイチェルを見て頷いた。
「絶対に大丈夫!」
すると、彩乃が微かに震えてあたしの腕にしがみついてきた。
「系斗さん…、生きてるよね?」
と涙ぐんであたしの顔を覗き込むと、あたしは少し驚いて彩乃を見た。
「彩乃…?」
「系斗さん…。強いよね?大丈夫だよね?生きて、帰ってくるよね?」
知らなかった。
いつの間に、彩乃の気持ちが系斗に傾いてたの?
会ったことなんて、なかったよね?ここで出会ったんだっけ?
不思議…。
そして、複雑…。
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