第9章 3人の瑠生と2人の匠

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* 系斗は、匠のフリをしていたのでいつもの白い服ではなかった。茶色のポロシャツにチノパン。靴は革靴だが…。 それが、敵には匠と錯覚させたのだろう。 そして、何故か系斗はジミーとアンジェとは別の部屋に軟禁されていた。 しかし、なぜ? しかも、軟禁…。手足は縛られていなくて目隠しも、ない。 系斗は考え込んでいた。 携帯電話はもちろんとりあげられたが。 もし俺を消したいだけなら、一緒に連れてこない。しかも軟禁なんて、おかしい。 目的は……。 部屋にはベッドもあって、系斗はベッドから降りて窓際に歩み寄った。窓には鉄の柵があって出られないが、外の景色は見える。 山か近い。道路は見えなくて林が広がっている。林の向こうは道路だろう。 ボゴタではないだろう。 ボゴタより少し離れた町だ。
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