第9章 3人の瑠生と2人の匠

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そこに、ドアがノックされて、系斗はハッとしてベッドにすぐに腰を降ろした。 ドアがゆっくりと開いて、武装した迷彩服の男が2人。その先頭にいるのは、ヨーロッパ系の金髪の男だ。グレイのスーツを着ていて、金髪はオールバック。身長は180弱か。薄い水色の瞳。 系斗は、その男に見覚えがあった。実際会うのは初めてだが。 男は系斗を見て、ニヤリと笑った。 「お前が、匠か?」 男が英語で尋ねると、系斗は男から目をそらして俯いた。 「返事なし…か。匠は香港で殺したはずなのに、まさか生きて、しかもこんなとこにいるなんて、驚いた」 「…殺せばいいだろう?だが、殺すなら確実にやれ。息の根を止めて、しっかりその顔を確認しろ」 系斗はそう答えると、男は驚きながらも声を上げて笑った。
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