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系斗は思わず息を飲んだ。
「俺は何処の組織にも属さない」
「そう言うと思ってたよ。では、瑠生を始末しよう。そうすれば、考えも変わるだろう?」
「な…!」
系斗は思わず顔を上げて男を睨みつけると、男は笑いながら系斗を見つめた。
「今、隣の部屋にいるのが、本物の瑠生かどうか、殺せば分かるだろう」
男がそう言うと、系斗はそんな男を睨みながら、
「殺して、どうなる?本物の瑠生なら、黙って拉致られてないぞ」
と言うと、男はまた声を上げて笑った。
「そうだろうな。噂では、瑠生が過去に拉致して、おとなしく助けを待ってたことはない、とか」
「瑠生を甘く見ないことだな」
「楽しみだなぁ。隣の女が本物の瑠生か。それに…お前も、本物の匠かどうかも、ここで試されるな」
男がそう言うと、系斗は男を真顔で見つめた。
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