エピローグ 一年越しの『愛してる』

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おびえないで。 怖がらないで。 あたしは匠に抱かれながら、呪文のように囁く…。 「あたしはここよ。匠のそばにいる。だから、怯えないで。見えない影に、怯えないで」 そんな言葉は、マヤカシにしかならない。 でも、匠はそう言うあたしを見つめて、舌を絡めながらくちびるを重ねると、 「瑠生がここにいなきゃ、俺は後にも先にも、生きていない。そばにいろ。ずっと俺のそばにいろよ」 命令形だけど、命令していない。むしろ、懇願だ。その顔は、苦しそうで、悲しそうで、エクスタシーだ。 あたしは匠の頬を両手で覆うと、近くで匠の瞳を見つめた。 「匠。あたし、これだけは命がけでも守りたいの。譲れない」 「瑠生?」 「あたしは、匠より長生きする!」
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