第1章 戦火の中の恋人

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あたしがコロンビアに行くためには、手続きがいろいろと必要だった。 警察だけではなく、公安委員会、それも日本とアメリカの両国の。コロンビアは入国拒否。 ハワイを出ることはできないのかも。 早くコロンビアに行きたいのに、ハワイで足止め状態。 あたしは警察の本庁を出て行くと、ジミーが待っていてあたしに駆け寄ってきた。非番で私服姿だ。 「瑠生。どうだった?」 「だめ。コロンビアには入国出来ない。せめてコロンビアで誰か強力な後ろ盾が有ればいいんだけど。コロンビアには知り合いはいないしね」 あたしが言うと、ジミーはあたしの肩を叩きながら、 「前に匠さんの隠し子事件あった時に知り合ったレイチェルだっけ?あの子とか、コロンビア人だよね。でも、さすがに頼れないよね~」 と言うと、あたしはハッとしてジミーを見て、ニヤリと笑った。
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