第1章 戦火の中の恋人

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ジミーは車を停めていて、助手席のドアを開けてくれると、 「送ってくよ。ご飯は?」 と微笑んで言うと、あたしはそんなジミーを見て頬にキスをした。 「ジミー。お腹ペコペコだよ。パスタ食べたい」 「オッケー。とりあえず、腹ごしらえだよね!」 ジミーはそう言ってあたしの肩を押すと、あたしは助手席に乗り込み、ジミーはドアを閉めた。 「匠さんはなんで香港じゃなくてコロンビアなんだろうね」 運転しながらジミーが言うと、あたしは全開の窓に肘をついて、頬杖をついていた。 「うん。系斗も詳しいこと教えてくれないんだけど、香港で何かしらの事故があったみたいなんだよね。で、誰かがコロンビアに連れてったみたい。系斗の言うことが、全部本当のこととは限らないけど」 「信用できないってこと?」 「だって!1年も隠し通してきたのよ。今更本当のことを言うかな。多分、系斗はギリギリまで隠して、ごまかし続ける。そういう人よ」
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