第10章 好きだから……。

9/14
37人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
ようちゃんに抱きついたまま、私は、ウトウトし始めた。 「…彩菜…?!」 「……」 ようちゃんの呼びかけに気づかないまま、私は、眠ってしまっていた。 「…ったく、しょうがねぇなぁ…。」 ようちゃんは、そう言って、クスッと笑って、私を抱き上げ、ベッドに運んでくれた。 でも、私は、全然そんな事に気づかないまま、既に夢の中だった。 ようちゃんは、そんな私を、朝まで、抱き締めてくれていた。 翌朝、目を覚ますと、目の前に、ようちゃんの顔があって、ソファに座っていたはずなのに、ベッドに寝ている事にビックリした。 私が、しばらく、ようちゃんの寝顔を見ていたら、ようちゃんが、目を覚ました。 「おはよう…ようちゃん…。」 「…ふぁ…彩菜…おはよう…。」 ようちゃんは、あくびしながら言った。 「ねぇ…私…ベッドに入ったの覚えてないんだけど…。 ソファに、座って、ようちゃんに抱きついて…。」 私が、そう言うと、ようちゃんは、クスッと笑って、キスしてきた。 「…昨日、彩菜の家に行く話しながら、俺に抱きついてきて、そのまま寝ちゃったから、俺が、抱き上げて、ベッドに寝かせた。」 ようちゃんのキスと言葉に、ドキッとしながら、ようちゃんに抱きついた。 いつもは、ドSなのに、今日は、すごく優しい…。 「…ようちゃん…大好き…。」 私が、そう言うと、ようちゃんは、また、クスッと笑った。 「…バカ…!…んなの言わなくても、分かってるよ…。 ほら、早く、着替えねぇと遅刻するぞ!!」 「…いっ…たい…。」 ようちゃんは、そう言って、私のおでこにデコピンしてきた。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!