最終話
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「そら、実は持ってきたのじゃ」 と、持参した風呂敷包みを にわかにほどいた殿は、 紫がかった紅梅の、 花刺繍も美しい打掛けを手に取り 私の肩に掛けた 「ほお、これは。想像以上じゃ。 色を決めたのはお鈴と聞いたが、 あやつの見立ても大したものじゃのう」 自らの顎に手を当てて そうしみじみ頷かれると、 私はとてもとても、 とても嬉しいけれど、 少し照れた……
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