最終話

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「きゃっ……」 いつも通りの予告なしに 私を抱き上げた殿は、 に、といたずらっぽく笑って 庵の小上がりを降り、 履き物を履いた 私はもう、あらがわなかった…… 四半時も歩けば、 白の坂州城が紺碧の空に見えてくる 遠くで一羽の山鳩が鳴いていた 私は錦の着物にくるまれながら、 そっと殿に囁きかけた
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