御礼と綾子からの手紙(後日談)

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拝啓 皆々様 お久しぶりでございます、綾子です。 あれからさらに一年を経て、 実はこの春、 素晴らしいことがありました。 みうが、私のみうが仔猫を産んだのです。 父親が誰かと申しますと、 まあそれは猫のことですから はっきりとは分かりませんが…… ただ、産まれた四ひきの仔猫たちは、 白が二匹と、虎柄が二匹にございます。 それに虎が始終ぴったりと、 みうの傍についておりますから。 きっと、ええ、きっと……。 殿はこれをご覧になると、 『まさか、猫に先を濾されるとはのう』 と、困ったように笑ってらっしゃいました。 私もつられて、笑ってしまいました……。
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