御礼と綾子からの手紙(後日談)

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けれどもそれが、 まさかご懐妊に繋がるだなんて 誰も思いもよらぬことでした。 お鈴様は以前に薬師から、 ご懐妊は難しいと診断されています。 だから、つまりそれは 誤診だったということでしょうがーー 薬師も驚いておりました。 殿とは精の相性が合わなかった、 ということでしょう。 と、分かるような 分からないような説明を残して、 その薬師はそそくさと帰っていきました。 この先どうなってしまうのかと、 不安ばかりが胸を塞ぎましたがーー いざお子が生まれてみますと、 その愛らしいこと、愛らしいこと……。 なんとお鈴様そっくりの、 鈴のように笑う男の子にございます。
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