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私の名を呼び、
後を追うように激しくなる殿の体がーー
限界にまで房を腫らし、
解き放ちたいと荒ぶる雄の印が、
私を欲しいと叫んでいる
ーーああ、この瞬間
この瞬間だけは、
その目は私しか映さない
熱く猛る体も、私しか欲しない
私だけのもの……私だけの
涙に濡れる頬が冷たい
私をこんなにしてしまったのは、殿
あなたなのだから
だから離さないで……
ずっと傍にいて
この腕の中だけが、私の幸福の在処ーー。
〈終〉
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