第1話  花の告白

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1か月前―――… 今日は気が乱れています、 と先生はおっしゃった 乱れて当然よ 私のことなどお見通しね……。 「……上手く書けません」 弱音を吐いた私の手に 先生の手が重なる その手を筆ごと きゅっと握られると とても嬉しくて   どきどきする……。 先生は私のために 通いできて下さる手習いのお師匠 武家の娘として 恥ずかしくないようにと 父が私につけた、 とても優秀で そして、 「私でよければお話しを聞きますよ、姫」 ……とても上品で、知的で、優しい方。 8つ年上の 大好きな先生
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