第1話  花の告白

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「ーーな、しかし、 坂州の殿には既に正妻があり 側室も大勢いいらっしゃると聞きます。 なぜ姫ほどの御身分の方がそんな」 「その正妻が、お亡くなりになったそうよ…… その後に私をとたってのお望みだとか」 「そう、でしたか……」 昔一度だけ見た坂州の殿は、 まだほんの子供だった私を 舐めるような目つきで見るような 異常な心を持つ人だった 幼心に感じた  得体の知れない恐怖心…… 若い生娘しか 相手にしない殿は 方々から若い娘を集めては 一夜の情けをかけ、  あとはなしのつぶての 鬼の様な方だという噂を、 知らぬものはいない――。
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