2、美代子

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 結局、私の覚悟など、現実逃避による空想的な産物でしかなかったということだろう。  そんな私の、自分を大事にしない態度に、きっと、バチが当たったのだ。  やけに急かされて書いた婚姻届の相手の名前が、あのアグレッシブなお兄さんのものだったことに、私は全く気がつかなかった。  自分の人生を軽んじた代償は、相当大きなものだった。
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