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「とにかくさ~イチャつくのは勝手だけど、オレのいないときにしてよね?オレだけノケモノって寂しいんだからさ。あ、ゲームやってたのか?あとで対戦しような!今日は負けないからなー」
いうだけいって、淳平は背を向けてゲームのコントローラーを操りはじめる。
なんというか、天然キャラは、恐い。
「・・・・あの、さ」
やっとの思いで絞り出した声は、自分でも驚くほどか細い声で。
ゲームに熱中している淳平には訊こえなくても、真吾には届いたみたいで。
眼があうと、頭を掻きながら、真吾は照れたように苦笑した。
その顔を見て、嘘じゃないんだ、って確信した。
そのくらい自分にだってわかるよ。
だてに何年も片想いしてきたわけじゃない。
だから、俺もだ、という意味を込めて微笑んだ。
わかるだろう?おまえだって。
やっぱりそれは通じたみたいで。
ちょっと眼を見開いたあと、真吾はうれしそうに笑った。
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