豪徳寺家の人々

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「暁!! そもそも、お前のその軟弱さが問題なのだっ! はあぁぁぁ‥ お前と陽子の性質が入れ替わっていたなら、ワシはナンの気苦労もなく、早々に隠居暮らしを迎えていられたのだぞ! 凜には日本男子とは如何なるものか、徹底的に叩き込む! 今後凜の教育には一切口出しはならんっ! よいなっ!!」 曙は厳しい口調で言い放ち、応接間を出ていった。 「ヤレヤレ…例年の事ながら、端午の節句は僕には苦痛だ…。 君も驚いただろう?」 と、暁は苦笑い。 「あの石頭には誰も手がつけられませんよ。 適当に聞き流しておくのが賢明です(笑) さて‥凛、 このお兄さんはこれから君と僕の助っ人になってくれる大切な人だよ。 仲良くしようね♪」 伊織の従兄弟‥凛 色白でクリクリとした黒目がちな瞳をキラキラ輝かせ、暁の膝にチョコンと座りおとなしく伊織を見つめていた。 「抱っこしていいですか?」 「ああ、勿論だとも!」 受け止めた凛の柔らかな肌、 優しいベビーパウダーとミルクの香り… どこか懐かしい、 暖かい日溜まりのような心地よさ…。 「…ふぁ‥可愛ぁっ‥‥♪ 叔父上、 僕は、凛君を僕の一生を賭けて護ります! 見ていて下さい、必ず凛君を幸せにして見せますよっ!」 「あはははは☆ なんだか新郎の誓いの挨拶だね(笑) 良かった‥君は妹に似てシッカリ者で、僕も心強い。 これでひと安心だ☆」 こうして、 伊織の豪徳寺家での生活は始まった。
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