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日本人にオレはなる!
凛は全く人見知りしない子だった。
伊織に抱かれて、不思議そうに伊織の髪や顔をペタペタと触った。
「おめめ…きでぇー‥
おとらのいど‥ちだちだ~‥‥」
「ゥンゥン‥キラキラだね、お空の色だね~♪
本当に‥君の瞳は美しい空の蒼だね‥‥
さぁ‥凛、お兄さんにご挨拶は?」
「こんにちわ、あじめまちて、りんでち
‥‥ン‥ん~‥にしゃいれしゅ」
(か‥か・か・か‥
かああああああああわぁ~エエェェエエエエ
‥‥(((ヾ(*´◇`*)ノ)))♪
「はじめまして、凛君☆
僕は伊織だよ‥い・お・り☆
君のパパとママのピンチヒッターだ。
よろしくね♪」
「い~ろ~りぃ~、
よろちくおねがいちまちゅ‥いろり♪」
「☆☆☆‥クウウウウッ!!…(≧-≦)
叔父さんっ!凛を借りるよっ!!
ご近所お散歩がてら探検してくるねっ!!」
「ハハハ‥
フットワークの軽いコト…車に気をつけて!
(何はともあれ、相性好くて何よりだ♪
…支えてくれる皆に報いる為にも悲しんでばかりいられないな…
僕もしっかりしなきゃ‥‥‥ウンッ☆
ありがとう‥陽子‥君の息子は最高だ!
いつか親父との確執も解け、君が笑顔で帰って来れる日を心待ちにしてるよ…)」
「いぃろぉ~りぃぃ☆」
「り~ん~♪」
「い~ろり~☆」
「りん~♪♪♪」
「おとらのいろ~♪」
「アハハハ☆
くすぐったいよ、凛!」
「あらー、凜ちゃん☆こんにちわ。
ステキなお兄ちゃまにダッコされて♪
いいわね~♪」
「あ、ちろ☆ちろのおばたんこんにちわー」
「ご近所の方ですか?
はじめまして、僕“栢山 伊織”っていいます。
今日から凜のお家でお世話になります。
日本‥初めてなんで、わからないこと色々教えて下さいね☆」
「まッ、日本語お上手!
…もしかして陽子さんの?」
「はい。オランダから着いたばかりで…宜しくお願いします☆」
「ヤダ‥素敵♪
コチラこそ、どうぞヨロシクね~♪うふ☆」
――――――
りん‥凛…リン、凛☆凛っっ♪♪♪
僕の可愛い従兄弟…。
サラサラの黒髪、
吸い込まれそうな黒い瞳、
笑うとピンと上向きに跳ね上がる目尻…。
テオんちのマンチカンよりずっとずっとずーーーっと可愛いもんねー♪アイツがいたら思いっきり自慢してやるのにな~(笑)
――――――
伊織はすっかり凛に夢中になった。
凜もとてもよく伊織に懐いた。
祖父曙が言うところの伊織の“派手でうるさい顔立ち”と亜麻色の髪を、凛はとても気に入っていた。
しかし伊織にしてみれば、東洋人の漆黒の髪に黒い瞳の方が神秘的でとても魅力的に思える。
伊織は祖父が自分の容姿を好ましく思ってないようで寂しかった。
(‥普通の日本人に生まれたかった…)
そんなどうにもならないことを憂い、
祖父の厳しい指導に従い、手習いも熱心に習得した。
伊織は日本人以上に日本人であろうと懸命に努力した。
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