62人が本棚に入れています
本棚に追加
「凛、お昼ご飯だって、一緒に食べよう。
わっ☆お蕎麦だっ!!お蕎麦大好き♪」
蕎麦を2、3本箸で摘まんで凛の口元に運んでやる。
凛の小さな桃色の唇がチュンととんがり、ちゅるちゅると吸い込まれた。
「どぉ?美味し?」
凛は小首を傾げてにっこり笑った。
「おぃちー♪」
「凜、上手に食べるね♪
僕だって通の食べ方をお祖父様に教わったんだよ凜、見てて!」
ずぞー!(この啜る音が肝心☆)
ズぞぞー!!ズるズズズ‥ルル
ズッ‥っ!!?ゲフッ!ゴホッ!!ゴフッ‥‥
§§§§§
「凛☆やっぱ日本は銭湯だなっ!
これぞ、日本の文化☆大和魂!
アチッ…
凛、ちょっと此処で待ってて‥
心頭滅却すれば火もまた涼し!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥(ぽちゃん☆)
アッ・・・・・ヂーーーーーッッッ!!!!」
§§§§§
「凛っ、乾布摩擦だ!
古式ゆかしい日本の健康法♪
ソレ!イッチニッサンシッゴーろっくひっちはっ‥‥
は‥
ハ‥‥
ふぁ…ブワックショ!!!!」
§§§§§
「伊織クン‥‥‥
君の頑張りは感心だけどね…
普通でいいんだよ‥フツーで…(^_^;)」
「ごべんなざぃ‥ざどるざン…
かえって迷惑かけ‥コホッコホッ‥」
「フフフ‥イイからイイから、ゆっくり休みなさい…
急に環境が変わったんです‥しかたありませんよ、想定内です(笑)」
不覚にも、伊織は日本上陸5日目にして酷い風邪で寝込んでしまった。
「いろりぃ‥‥イタイイタイ…おねちゅなのぉ‥‥
ぱーぱ‥りんもー‥いろりとねんね‥」
「ダメ…凛‥‥、アッチ行ってな‥。
風邪‥伝染っちゃうだろ…コホッ‥」
「やー!いろりとねんねーっ!」
「じゃあね、凛‥コレを‥‥こうして‥‥‥
‥‥と‥」
暁が凜に顔が隠れてしまうくらいのマスクを着けてやると、凛は嬉しそうに伊織の顔を覗き込んだ。
「よちよち‥いろり‥いいこいいこ‥」
「‥‥アア‥ホント…情けない‥‥
暁さん、陽子さんには報告しないで…
きっと心配して大騒ぎする‥‥だらしない男だと思われちゃうの嫌だから…」
「フフフ‥彼女の耳にいれたら、僕の方こそドヤされる(笑)
陽子は厳しい母親なのかい?」
「厳しいってワケじゃないけど…
小さい頃は、僕にももう少しかまってくれないかなって思うことはあった…仕事仕事の毎日だったから‥」
「そう‥‥、実のお父さんとは?」
「会っていません。
全く覚えていないし、特に会いたいとも思わない。陽子さんと別れる男なんて女性を見る眼がないよ。
陽子さんと僕はこんなに遠く離れてたって、しっかり繋がってるンだもんね☆」
最初のコメントを投稿しよう!