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「麗?」
彼女の声に思わずビクッと反応する。
「どうしたの? 顔色すごく悪いよ」
私の顔を心配そうに覗き込んでくる。
「だ、大丈夫。今日は私木村さんだけだったからもう帰るね」
「……そう。ゆっくり休みなよ」
私は小さく頷き、カウンセリング室をあとにした。
自宅に戻り、静かな空間がなるべくできないように音楽をかける。それから、ベットに向かって一直線に歩き、倒れこむ。
何もかもがしたくないという感覚から、なかなか片付けることができず、ベットの周り以外は散らかっていた。
家に独りでいると、どうしようもない虚無感に襲われる。だから、家で過ごしているときはネガティブな思考になりがちだ。
なぜ、同じように私も色々と悩んでいるのに、見ず知らずの他人の悩みを聞かなくてはならないのか。
面白くもおかしくもないのに人はなぜ笑顔を振りまくのか。
こんな社会で生きていて何が楽しいのだ。
息苦しいだけじゃないか。
人間なんて……。
こんなことばかり思うなんて、私は人間として欠陥品なのかもしれない。
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