作品を面白くするのも大変だ…

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「重庵先生の作品読ませていただきましたが、大変面白いですね!視点が違うと言うか…考えが違うと言うか…とにかく読んでて笑ってしまいましたよ」 安間と名乗った男はとにかくよく喋る。 裏表が無さそうに見えたりするが、騙されてはいけない。こういった人物こそ裏で何を考えているのか解らなかったりする。 私の少ない経験からすると、よく喋る人程嘘を隠すように振る舞う傾向があるように思われる。 大体アレだ。子供の頃から寂しかったので、寂しさを紛らわすように漫画や小説といった空想で創造の世界に生きる道を求めた結果が今の私だったりする。 本を読んでて、私でも書けそうだと試しに書いてみたのが運の尽き。目の前で読まれるのは恥ずかしいから、ネットの世界で発表した。そしたら、私自身は生きている価値も無いような薄っぺらい人生経験しか無いのに「面白い、面白い」といった声が聞こえてきた。 何が面白いのだろうか? こんなありきたりの作品が面白いのか? 所詮は何かの二番煎じでしかないのに。 この男も、そんな「面白い」と言ったネット作品を見て連絡をくれた人間の一人である。
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