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二日目
あまりの寝心地の悪さにいつもより早く目が覚めた。
光がどこからか漏れ出ていた。
どうもこの牢屋のような部屋は外と繋がっているらしい。
部屋を見回し天井に近い壁に僅かだが亀裂が入っていた。
「あそこから外の様子が分かるかもしれない」
男は壁の近くに行き飛んだり跳ねたりしたが、微妙に届かない。
この部屋には足場になるような物がないため男は外を覗くことを諦めた。
朝になったから犯人が来るだろう。
そんな楽観的な考えと共に、本来今日やるはずだった仕事について考えだした。
「今日は厚労省の役人を接待する予定が狂ってしまった」
男は地団駄とも貧乏ゆすりともつかない動きで足をばたつかせた。
『ビリビリ』
ガムテープが破れ、足が自由になった。
もともと古いガムテープだったのか耐久性に問題があったのか拘束具としての意味をなさなくなった。
「もうよい。私はここを出る」
男が手を縛っているガムテープを外しにかかった。
このガムテープも簡単に外れた。
やはり、今回の犯人もバカだったようだ。
男が脱出しようと牢に手をかけたその時。
チクッとした痛みが指に伝わる。
血がポタポタとこぼれ落ちる
。
「何だ?」
牢の裏側を見ると剃刀やら針がガムテープで貼り付けられていた。
「またガムテープか」
こぼれ落ちる血を止めようと指を舐める。
するとどこからか白衣姿の女が走ってきた。
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