いつかの笑顔

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帰路についたのは17時前だった。 4人で海岸沿いを歩いていると、電話が鳴った。 父からだった。 祖母が救急車で運ばれたとのことだった。階段から落ち怪我をし、頭も打ったらしいのだ。 父は父方の実家である清瀬市にいるから、簡単な入院の用意をもって先に病院に行ってくれないか、ということだった。 病院にいる祖母は母方で、祖父が亡くなった後からずっと一緒に住んでおり、毎日の家事を一手に引き受けてくれている。 「ごめん、ばあちゃんが救急車で病院に運ばれたらしいから、今から行ってくる!」 少し先を歩く3人に向かって僕は叫び、返事もきかないままに踵を返し、僕は走った。
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