62人が本棚に入れています
本棚に追加
「ベンチで少し休もうか」
「う、うん……ごめんね」
まだ一つしかアトラクションに乗っていないのに、早速休憩なんて……
手がかかるって思われていたら、どうしよう。
こういうこと、一つ一つに不安になってしまう。
「何か飲み物でも飲もうか。俺、買ってくるよ」
「ありがとう……」
それから悠馬は直ぐ近くの売店でアイスティーを買ってきてくれた。
冷たいアイスティーを飲んで、少し休憩をした後は、メリーゴーランドやコーヒーカップ、シアターといった比較的ゆったりしたアトラクションを選んでくれた。
「繭子さん、疲れてない?」
「う、ううん、大丈夫っ」
ずっと、私の事を気遣ってくれている。
これに彼にとってのビジネスの要素がなければ、どんなに幸せだろう。
男と女、恋人として、遊園地を楽しむことが出来たら、って、考えてしまう。
と、
「あれ、何だろう」
悠馬が、とあるアトラクションの行列を見て言った。
「カップルばかりが並んでる」
悠馬の言う通り、並んでいるのは男女のペアばかり。
最初のコメントを投稿しよう!