10、ヒナタ

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「ベンチで少し休もうか」 「う、うん……ごめんね」 まだ一つしかアトラクションに乗っていないのに、早速休憩なんて…… 手がかかるって思われていたら、どうしよう。 こういうこと、一つ一つに不安になってしまう。 「何か飲み物でも飲もうか。俺、買ってくるよ」 「ありがとう……」 それから悠馬は直ぐ近くの売店でアイスティーを買ってきてくれた。 冷たいアイスティーを飲んで、少し休憩をした後は、メリーゴーランドやコーヒーカップ、シアターといった比較的ゆったりしたアトラクションを選んでくれた。 「繭子さん、疲れてない?」 「う、ううん、大丈夫っ」 ずっと、私の事を気遣ってくれている。 これに彼にとってのビジネスの要素がなければ、どんなに幸せだろう。 男と女、恋人として、遊園地を楽しむことが出来たら、って、考えてしまう。 と、 「あれ、何だろう」 悠馬が、とあるアトラクションの行列を見て言った。 「カップルばかりが並んでる」 悠馬の言う通り、並んでいるのは男女のペアばかり。
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