10、ヒナタ

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その中には昨日、柘植さんから頂いたお化粧のアイテムが沢山入ってる。 この中身を使えば―… こんな私でも、少しは良く見えるようになるかもしれない。 プロの手を借りた昨日の様にとまではいかなくても、少しは悠馬に相応しい女性に―… 紙袋を手に取り、中身を一つずつゆっくりと取り出す。 この口紅…… 昨日と同じ色―… 手に持ったルージュをそっと自分の口元に近づける。鏡を見ながら慎重に唇につけようとした。 けれども、 「ダメ」 耳元でそんな声が聞こえて、 「あっ……」 持っていた口紅を取り上げられてしまう。 取り上げたのは勿論、悠馬。 髪は濡れていて、身体にも滴がついていて、タオルを首に巻いてはいるけど―…やっぱり裸のまま。
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