10、ヒナタ

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「もう、上がったの……っ?」 「だってシャワー、軽く浴びただけだから」 「あのっ、着替え、ちゃんと出しておいた筈なんだけど―…」 「うん。知ってる」 「知ってる、って―…」 なら、ちゃんと着て出てくれればいいのに。せめて、下だけでも履いていてほしい…… 「それよりも繭子さん、何してるの?」 「な、何って―…お化粧を……」 「何時もは、そんなルージュなんて塗らないじゃん」 「そうだけど……」 「繭子さんは普段通り、リップクリームを塗る位でいいよ」 繰り出したルージュを悠馬がしまってしまう。 もしかして、似合わないって思った?慣れていないことをするな、って? でも私は、 少しでも見栄えがするようにって思って手に取ったのに。 悠馬との外出の為にと思ったのに……
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