10、ヒナタ

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勝手にあれこれ考えて背伸びしようとしていた自分がバカみたい。 しゅんと萎れていると、 「違うよ、また勘違いしてる」 と、悠馬。 私のポーチからリップクリームを取り出すと、 「これで十分」 そう言って、私の唇の上に滑らせた。 色もついていない、乾燥対策で使っているリップクリーム。 「地味……でしょう?」 「そんなことないよ。でも、髪の毛は今日はおろしたままがいいかな」 悠馬の手が私の髪の毛に触れる。 ブラシを持ち、この黒髪を優しく梳いてくれる。 心地よくて、でも恥ずかしい。 また赤面してきそうな顔を隠したくて、化粧の為に外していた眼鏡をかけようとする。 でも、また悠馬に止められる。
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