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勝手にあれこれ考えて背伸びしようとしていた自分がバカみたい。
しゅんと萎れていると、
「違うよ、また勘違いしてる」
と、悠馬。
私のポーチからリップクリームを取り出すと、
「これで十分」
そう言って、私の唇の上に滑らせた。
色もついていない、乾燥対策で使っているリップクリーム。
「地味……でしょう?」
「そんなことないよ。でも、髪の毛は今日はおろしたままがいいかな」
悠馬の手が私の髪の毛に触れる。
ブラシを持ち、この黒髪を優しく梳いてくれる。
心地よくて、でも恥ずかしい。
また赤面してきそうな顔を隠したくて、化粧の為に外していた眼鏡をかけようとする。
でも、また悠馬に止められる。
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