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「いつから、入院しとると?」
母との会話も少し慣れて来たせいか、地元の言葉も混じる。
「一昨日から。朝、出勤の支度をしていた時に、お腹に痛みを感じたらしくてね……。旦那さんが、車で病院に連れて行ってくれたらしいんだけど」
母の言葉を聞きながら、千華子は注文したジンジャーエールを口に含んだ。
刺激のある辛味が喉を通り、少しだけ、今感じている苦い思いを発散できたような気がした。
「あんたは、今日どぎゃんすっと?」
「駅近くのホテル予約している。明日は休みにしとるけど、代わってもらっとっとよ。確実に、明日は帰りたかけん」
「そう……」
千華子の返事を聞いて。
母は、深いため息を吐いた。
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